朝晩肌を撫でる涼やかな風
うろこ雲を背に控え、ソヨソヨとたなびくススキの穂
夜毎の虫の合唱や、黄金に色づく稲穂に飛び交う赤とんぼ
いつの間にか辺りは秋の気配です。
十三夜、仲秋の名月
澄みきった夜空に艶やかな月を
愛でるのも長月ならではの楽しみ。
着物の装いの秘訣として「季節の先取り」という言葉を耳にします。
かくいうルーチェも
予てから秋単衣の季節には葡萄色の小紋を着て、
ひといきに秋を先取りしようと心待ちにしていました。
しっくりこない秋色尽くし
帯や小物も秋色候で、折角の着物姿はどんより。
温暖化の昨今、秋とはいえ、すっきりとした色目で逃げ道が欲しいもの
遂に
着やすい塩沢紬を引っ張り出すことに。
クリーム地の塩沢とくれば、月見柄の紬の帯
桔梗やススキ、秋草の六角形の額縁月は、くっきりした秋の月を
演出してくれます。
墨紫の帯締めと鶯茶の帯揚げで「秋」を表現しました。
この季節の半襟は、絽縮緬や楊柳がオススメ。
襟元が涼しげなのに適度な厚みもあり存在感が漂います。
小物で秋を演出
そうこう脳みそを絞るのも
単衣を楽しむ醍醐味のひとつですね。
おともは
・塩沢紬の単衣
・ラベンダー色の紬の名古屋帯
(ポイント柄)
・鶯茶に小花の帯揚げ
・墨紫の帯締め
・絽縮緬の半襟