夏の終わり、
近江縮を着てみました。
自宅から車で2時間
探し求めていた縮がこんな近くで生産されていたなんて・・・・
欲しいものは、いつも遠いところにあり、手に入るにはたくさんの労力がかかる・・・
自分の思考回路の中にそんな思い込みがあったのだ、ということが「お着楽襦袢を作りたい」と
布を探し求めるうちに、本当に欲しい布も、要望に応えてくれる縫製会社だって、
通える距離にあったことを心から感謝し、自作する勇気の一つとなりました。
さらに滋賀県は魅力がたっぷりの隣県。
いつも遊びが半分で「今日は何があるかな」などと、
近江縮の里、近江八幡に足しげく通うようになりました。
日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)近くにお世話になった麻布の専門店には、
幾種類の近江縮はむろん、麻の雑貨品や反物、
入口には名産の赤こんにゃくも置かれ、
あれこれ手に取って楽しみました。
井伊の赤鬼と信長の赤こんにゃく
「赤い反物が入りましたわ」ご亭主のニコニコ顔
彦根城のマスコットキャラクターひこにゃんの兜と同色の反物。
まさに井伊の甲冑の色。
同じ滋賀県でも近江八幡では、信長ゆかりの色と諸説ありますが、
なんだか戦国大名の端っこにも仲間入りした気分で、
夏の一枚にしました。
今までいろんな縮を着ましたが、
近江縮は縮特有のシボのゴシゴシ感が柔らかく、
肌にもよく馴染むようです。
お着楽襦袢に近江縮を選んだのもその理由からです。
居敷当てや、衿の芯もお着楽襦袢の縮を使って仕立てました。
襟元もふっくらして、衿合わせが決まります。
帯は角出し、帯揚げ無しで涼しく
ルーチェの帯板締めと夏帯で胴回りは緩く締め、着心地も軽やかになりました。
小物で涼便り
ガラスのイヤリングで耳元の揺れ感で風鈴気分
塗りの扇子は竹製。近江八幡の扇子専門店で見つけました。
着物を着ると、100年に一度といわれるご時世を一足飛び。
暑さをわすれ、未知の時間を愉しんでいます。
お供は
・ベンガラ色の近江縮縞柄
・夏絽名古屋帯
・青色夏用帯締め
・お着楽襦袢
・麻の草履