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ルーチェの着物ごよみ

2025年1月着物はその人を映し出す鏡

遅ればせながら新年のご挨拶申し上げます 2025 年もよろしくお願い致します。

1月は成人式にはじまり、新年に相応しい華やかな幕開けとなりました。
同時にご卒業やご入学のシーズンを前に、着付けのご予約も漸増。
来年の成人式のご予約もほぼ満席となり、嬉しい悲鳴と慌ただしさに明け暮れ気がつけば大寒。
皆が健康で笑顔の年になる事を願いつつ節分を迎えたいと思います。

今月は、いつも着付けでお世話になっているあるお客様のお話です。
最初の出会いから8年、きっかけは留学するお孫様の前撮りでした。
おきまりのポーズではない、自然でどこか新しいスタイルの前撮りと撮影を探しいるうちに「きものルーチェ」にたどり着いたそうです。

そのご縁から、着物を着る時には必ず着物相談のご予約があり、その都度呉服屋さんでも滅多にお目には書かれない質感の着物や締めやすい帯の数々を見せていただきました。
全て依頼主の「鮎屋のおかみさん」がお嫁入りの時に誂えたお召し物。
全く気取りのないけれど、見る目はお持ちだからいつも一寸緊張しながらの訪問です。

ルーチェのエプロン

ある時、おかみさんが「羽織でエプロンを作るといいわ」と、黒羽織を譲ってくださった。
そのころから、おかみさんの素性を少しづ知ることになるのだが、やっぱりとうなずくことばかり。
おかみさんは京都生まれの京都育ち。幼少のころは八坂神社を遊び場に。
西陣の織元にも近いまさに京都真っただ中で育った京都っ子。そこからご縁で岐阜の地に輿入れしたのだそう。

お孫さんの結婚

前撮りのお嬢様が晴れてご結婚。娘のように育てていた事情からもその喜びはひとしお。
留袖で当日を迎えたいと、成人式の前日にわざわざルーチェまでお越しくださいました。
久しぶりに手を通す留袖は古さは全く感じられず大胆な柄に圧倒すると同時に、帯の締めやすさに
感動。そしてお太鼓がヘタレない。これこそ帯の神髄、職人技を見た気がした。
帯といえば、「い〇〇ら」(敢えて伏せておきます)
様々な織元のエピソードを伺いながら着付けは完了。

エプロン姿で化粧ッ気もなく、鮎をこよなく愛し全国でも名の知れた「鮎焼き名人」のおかみさん。
この日は、一気に場所を変えたかのように生まれ育った京都の風情が漂う貴婦人に。
どっちの顔を持つおかみさんも素敵だけれど、留袖のおかみさんは気負いもなく普通に美しかった。
気品と格調の高さが透けて見えおかみさん本来を知った気がした。

環境も言葉も違うこの地に輿入れし、一心不乱で鮎焼きをしていた姿に、ホロリと泣けてきた。
京都言葉を一切使わず地場に溶け込む姿はカッコいい。
新年に良き思いをさせていただいたエピソードでした。

最後に

おかみさんに告ぐ
きものルーチェの代表の言葉

成人式が終わり、
ふと一息ついた時に写真フォルダを見返すと、
この一枚の写真が目に留まりました。
何度見ても心惹かれる、
そんな大好きな一枚です。

写真はその人の人生の物語を静かに語り、
着物はその人自身を映し出す鏡のよう。
改めて着物が持つ美しさと奥深さに
心を動かされました。

-ルーチェの着物ごよみ