某朝の連続ドラマは明治が時代の背景となり
主人公の商家育ちのお嬢様の着物姿は
可愛くもあり、格好良くもありマイブームとなっています。
昔懐かしい昼夜帯を結んで
新年早々、今年はこの装いでスタート
昼夜帯の魅力
表の華やかな柄とは裏腹に黒の繻子の裏地から
腹合わせ帯とも呼ばれ、主に商家や町人の奥方が
締められていたそう。
余談ですが江戸時代の絵巻物にみる
お花見や歌舞伎見物にお洒落をして出かける女性の姿は、
本つのだしを背中ではなく、花魁のように前で結んでいる姿が
描かれているのを見かけます。
帯を前で結ぶ理由
花魁などが帯を前で結ぶのは、簡単に逃げられないように
という理由があるようですが、商家のご婦人が本つのだしを前で結ぶのは、
外出の時は、おつきの女中などが必ず傍にいて、
荷物を持ったり傘を差し伸べたりしてくれるから
帯を前に結んで自分の目で楽しむこともでき、
バタバタと走ったりする必要もなく優雅に一日を過ごすのが豊かな生活をする証だそうで、
花魁の前結びと意味合いが大いに違うのがなんだか興味深いですね。
長尺の昼夜帯
ざっくりと胴に二巻したあと、背中で結んで、
手先と垂れ元をお太鼓部分の両サイドの長さを決め引き抜くから
帯結びを「引き抜き」とか「本つの出し」と呼ばれたそう。
本つの出しや、引き抜きを現代の袋帯で結ぶのは
ちょっと丈が足りなく不向きのようです。
通常390センチほどの袋帯の長さに対して、昼夜帯は430センチ前後の長尺。
この長さが無いとお太鼓部分のタップリふっくらした
帯の仕上がりにはならないのです。
小紋に昼夜帯の愛称は抜群
どんなに走っても帯は崩れず、帯揚げ帯締めも不要だから
庶民的で親しみも湧くし、着物ビギナーさんも着心地が楽だと評判も上々。
朝ドラの主人公もよく走っているシーンを見かけます。
この装いは皆の憧れのよう
これっきしの昼夜帯だけど手持ちにあってよかったな
おともは
蝶のとび柄の小紋(昭和初期の着物)
桃色に刺繍の半襟
下駄(大正時代)