立秋も過ぎたというのに、連日の猛暑日。
うだる暑さから涼を求めて、県内随一の世界遺産「ひだ白川郷」へ車を走らせました。
高速道路の開通により自宅からおよそ2時間と、ちょっとそこまで気分のドライブコース。
飛騨清見インターから目的地白川郷までのおよそ25キロの道のりはひたすらトンネル道。
異次元の入り口へといざないます。
駐車場から庄川の吊り橋を渡っていよいよタイムスリップ。
村営の駐車場のオープン時間は午前8時。
何組かの開門組はいたものの、辺りはまだひとけもチラホラ。
そこにみる夏の集落は、田畑の緑が眩しい合間に茅葺の屋根、素朴で美しい“日本の原風景”そのもの。
虫の鳴き声や、柔らかな緑の香りの空気に包まれ、懐かしい田舎の夏を思い出しながら集落を散策しました。
「結い」ゆいの心
雪深い白川郷、真冬には積雪2メートル以上の豪雪地帯。
雪の重みで屋根が落ちないように、皆で気づく安心の暮らしを何より大切に支えあいの精神が息づく場所。
道にはごみ一つ落ちていない、ごみ箱の設置もない、きちんとした喫煙場所も設けてあり、
村民の意見や工夫を持ち寄り世界遺産をこよなく愛し、みんなで助け合う結いの精神を肌で感じました。
自分一人で何ができるの?
ここへ訪れると、活かされているのは万物のお陰様。
謙虚な気持ちになります。
ニコニコ笑顔の「和田家ご当主様」
稲穂が眩しい和田家前でスマホをいじっていると、すぐそばにご当主様。
「久しぶりですね。お元気ですか。今朝から暑いですね。家内ももうすぐ来ますから休んで行ってください。」
素朴で懐かしい飛騨独特の挨拶のフレーズ、まさに実家に帰った気分になり身も心もタイムスリップ。
夏の暑さに汗まみれの着物姿に助け船を出していただきました。
シャリ感の西陣織の夏紬と羅帯
西陣織の紬着尺は細めの糸使い。
きめ細やかな反物は夏紬でも透け感がほどよく、着やすく成夏に好んで袖を通す一枚です。
羅帯は軽やかに、胴に優しく触れる感じで締めます。
へちまの帯枕でちょっと大ぶりなお太鼓、風がよく通り背中も涼やかです。
いつもながらルーチェのお着楽襦袢は、汗をよく吸い取ってくれ着心地も抜群。
改めて着心地と使い勝手の良さを季節ごとに感じております。
お盆も過ぎると辺りは秋の香り、黄トンボが田畑を黄金色に演出してくれることでしょう。
お供は
・西陣織の夏紬
・羅帯
・海老茶グラデーション千鳥刺繍の夏絽帯揚げ
・紺とゴールドの丸帯締め
・麻の草履
・溜塗扇子桔梗柄
・ルーチェのお着楽襦袢